雲のうえ♪甲斐駒ケ岳は南アルプスの中でも北部に位置する2967mの山。深田久弥が日本百名山の中で「甲斐駒ケ岳は名峰である。日本の十名山を選ぶならこの山は落とさないだろう」と述べるほど風格ある名山です。
甲斐駒ケ岳の数ある登山ルートの中でも「黒戸尾根」は日本三大急登の一つで、このルートをピストンするのがトレイルランナーの間で人気なのです。あの山本健一さんのトレーニングコースとのこと。
登山者の方に「黒戸尾根から登らないと甲斐駒ケ岳を登ったとは言えない…」と教えられましたがその意味が後でわかることに。
標高700mから一気に2900mまで登る標高差2200mのルートはいかに…
今回は日帰り山頂ピストンはせず、欲張ってさらに先に進む1泊二日プラン…
(Yさんが立ててくれました)
一日目:竹宇駒ヶ岳神社〜黒戸尾根〜甲斐駒ケ岳〜北沢峠〜仙丈小屋泊
二日目:仙丈ヶ岳にてご来光〜北沢峠〜仙水峠〜甲斐駒ケ岳〜黒戸尾根〜竹宇駒ケ岳神社
走らないと間にあわないというトレイルランナープランです。
土曜日の早朝4時頃の竹宇駒ケ岳神社前のキャンプ場駐車場。
もうすでに準備を済ませ登山道へ向かう方もちらほら…
トレイルラン装備の方も何人かお見かけしました〜。
5時半頃に出発〜
カイコマ君? 行ってきま〜す!
まずは、竹宇駒ケ岳神社にてお参り。
山岳信仰の風格ある佇まいの気持ちの良い神社。
駒ヶ岳まで7時間〜!?
今日はさらに仙丈ヶ岳まで行くのでそんなに時間かけられませーん(汗)
いきなりの急登に息が上がり過ぎて無言で進みます(汗)
「きつい登り」は想定内。でも見上げるとひたすら続く登りのトレイルにちょっぴり不安を感じつつも、意外にこの登りキライじゃないよな…なんでかな? 先に必ず頂上があるという気持ちがあるからかな? とか…そんなことをぶつぶつ考えながら、良いペースでリードしてくれるYさんの背中を追いかけて、無言でガツガツ登って行きました〜。
写真でみる甲斐駒ケ岳はゴツゴツしていたけど。
樹林帯の山様は思った以上に優しくって。
新緑のミドリ君達の瑞々しさ、可愛さに感動でした。
6月にアルプスに来たのは初めて。
シアワセだわーー♡
1500mを越えると雲が下に…
名物「刃渡り」
のこぎりの刃みたいに斜めになった岩の上を鎖を頼りに進みます。
刀利天狗を過ぎた辺りから…
ん??剣??
岩の上に何故かつるぎが刺さってる〜。
黒戸尾根は山岳信仰の甲斐駒ヶ岳神社の表参道で古くからの登山道。
道ばたにお地蔵さんや石碑、何故か剣があちこちに見られ、なかなか面白い登山ルートでした〜。
七丈小屋を過ぎた辺りから、ハシゴ&鎖&二足歩行困難系木道のオンパレード。
わーい。2967mだわー。
こちらが駒ヶ岳神社の本宮ですね。
ここまで無事にたどり着けたことに感謝。
山頂でテンション上がるも視界ゼロとあまりの寒さに即退散。
砂礫の急斜面を下っていきます。
登りより、下りの方が怖い…
視界が悪くて良かったかもー
駒津峰から双児山方面ルートで北沢峠へ下山。
が、このコース、地図では計りきれない小刻みなアップダウンが多くてかなりのハードコース。後は下るだけ…と思っていたら大間違いで、黒戸尾根よりなんだかハードに感じました〜。
3時間くらいで北沢峠到着〜。
とーっても美しい樹林帯の峠で、ここまでは専用のバスが走っています。
ここから、再度急登を3000m仙丈小屋までGO〜♪ と勢い込んでいたら…
なんと!仙丈小屋への予定ルートが雪渓で通行止めとのこと。
別ルートは一度仙丈ヶ岳の山頂を越えて行かねばならず、コースタイムは4時間…既に14時だったためやや厳しいかな…って。Yさんと相談して、明日の早朝仙丈ヶ岳アタックをすることにして、今日は北沢峠泊に変更することになりました。
…が、この週末、甲斐駒ケ岳の山開き祭「長衛祭」をしており期待していたこもれび山荘は満室で宿泊を断られ、近くの長衛小屋に向かおうとしたら、「予約で満室」との張り紙が…(涙)
ま、まさかの私達、宿泊難民に〜〜(涙)
まだバスが動いている時間だったので、バスで広河原まで行く?でも竹宇駒ヶ岳神社に置いて来た車とは逆方向、どーするー、どーするー、と二人してオロオロ。まさか山小屋で宿泊を断られるとは思ってもおらず…。(南アルプスは予約が必要だと初めて知りました)
もうあとはバスに乗ってどこかに移動するしかないけど…もしかしてキャンセルあるかも…と、意を決して思い切って長衛小屋まで行ってみたら…。
なーんと!!宿泊OKでした〜
しかも、ココ…
もー、泊まれるだけでありがたいなぁと思ったのですが、
感謝、感謝♪
長衛小屋は昨年できたばかりの新しい小屋。お布団も新しくトイレもキレイでびっくりするくらい快適な山小屋でした。
こんな素敵な山小屋に泊まれてラッキーだったな♪
ビールを飲んでもまだ15時過ぎ。
予定変更で思いがけずできてしまった時間
携帯の電波も通じず、後は晩ご飯を食べて眠るだけの何も無いぜいたくな時間。
近くの沢を散策したり、お部屋でゴロゴロと、とりとめもない話しをしたり。
あー、この何も無い山小屋時間、好きだなーって。
アルプスは山頂からの景色や高度感も大好きだけど、
この何も無い贅沢な時間の持てる山小屋、もしかしたらこういうのが好きなのかもしれません。
山にはつきものの、プラン変更もアクシデントも楽しめる、同行させていただいたYさんがそんな人で良かったな〜。
バランス満点の晩ご飯♪
美味しかったー。
この日は消灯を待たずに19;30頃就寝。
二日目に続く…